旅の途中―とある町の食堂にて―
「腹減ったー!」
「ですねー。もうお昼も回ってますし」
「とりあえずこの日替わりお勧め定食四人前ね。これ安いみたいだし」
「守銭奴か……」
「何か言ったこの寝歩き男」
「寝歩き……って何?」
「そのまんま。寝たまま歩くから寝歩きよ。間違っても歩きながら寝てるわけじゃないわよ。ある種夢遊病ね」
「……」
「あっ、ほら、出来たみたいですよ」
「!!?」
「? 兄ちゃんどうかした?」
「……いや、なんでもない」
―数分後―
「あー食った食った……ってあれ? 兄ちゃんまだ食べ終わってないの? 珍しいなー何かヘンなモンでも食べた?」
「……(余計なことを……)」
「あら、本当珍しいわね……ってどっちにしてもあと少ししかないじゃない」
(フィル、ピクルスの刺さったフォークを揺らす)
「!」
(レン、びくりと肩を揺らす)
「へ?」
(フィル、ピクルスとレンとを交互に見比べ、再びフォークをレンに近づける)
「や、やめろ! 俺にその酢の物臭い物体をそれ以上近づけるな!」
(レン、珍しく取り乱す)
「あぁ〜ら何? レンってピクルス……ってか酢の物嫌いだったんだ? へぇ〜ふぅ〜ん?」
(フィル、にやりと笑む)
「(ぎくり)」
がたっ(レン、椅子を後ろにずり下げる)
「えいっvv」(フィル、ずいっとレンの口元にピクルスを近づけ)
「〜〜〜!!!(無言の叫び)」
がたがたがたっ、ごがんっ(レン、背後に大きく後退。勢い余って椅子が倒れ後頭部を打ち付ける)
「ふふふふふ、い〜いこと知っちゃったぁv」
(フィル、やたらと嬉しそうに笑う。背後には悪魔の尻尾が見え隠れ)
「…………(滝汗)」
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レンは酢の物とかが嫌いというどうでもいい裏設定でした。
普段クール(?)に見えるヒトにもこういう微妙な弱点ってあるものです。
ってかフレイとティティはあまり出てきた意味がなかったような……
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