移ろい征く空の色 橙色の光を放つ夕陽が至極緩慢に地平線の彼方へと沈んでいく。太陽が朱に染まると、白茶けた大地もまた夕焼けの赤に染まっていた。 濃い橙色の夕陽の周りに広がったのは、橙色ではなかった。それはまるで夥しく広がる鮮血にも似た、鮮やかな紅の色―― 彼はその色にそっと目を細めた。その色はあまりにも眩しすぎたから。死に際の太陽の輝きは、昼間のそれとは比べ物にならないほどの強い刺激を孕んで、世界を紅く紅く照らし出していた。 彼の耳元で、その赤よりもなお深い紅がきらりと瞬く。 「兄ちゃん?」 未だ幼さを残す、少し高めの少年の声。 決してたどたどしくはないしっかりとしたその声音に反応した青年は、細めていた瞳を開き視線を少し下に下げた。 正面に立つのは、彼よりも頭一つ分以上は小柄な少年。十代半ばの幼い容貌はあまり旅人には似つかわしくない。 その少年が大きく顔を上向けて、青年の顔を下から覗き込んでいた。大きな身長差の所為か、急角度で上向けられた首が少し辛そうだ。 赤闇の中では判じ難いが、少年は大海原の濃青色の髪に大きな赤い布を巻いていた。瞳は猫のようにつりあがった翡翠色。 それに対して、青年の髪は月明かりを冴え冴えと返す白銀。瞳は、夜の空を溶かしたような深い紫暗。 今はそのどれもが夕陽の朱色に染まっている。 彼らは似ても似つかない。だがそれも実際には当然のことだった。今二人きりで道を行く彼らには血の繋がりなどない、それどころか生まれた地ですらも大陸を隔てた遠方、全くの赤の他人だったのだから。 「どうかした?」 「いや……」 青年は小さく頭を振って否定した。細い銀糸がさらさらと揺れて乾いた音を立てる。 古ぼけた印象を受ける旅装束の青年だ。年の頃は二十歳を数えた頃か、もしかしたらもう一つ、二つくらいは上かもしれない。少し眠たそうな、ぼんやりとした表情が彼を若干幼く見せているのか。 光を冷ややかに返す銀糸は襟足に届くくらいの長さ。ざんばらに切られたそれはろくに手入れもされていないのか、寝癖よろしくあちこちへと無造作に跳ね返っていた。 青年は少年を黙って見つめ返した後、不意にその視線を先程まで見つめていたのとは逆の空へと上向けた。墨染めの黒に染まりつつある空には、真円に程近い月。 月の光が、沈み行く夕陽とは対照的に、穏やか過ぎるほどささやかな光で辺りを照らしていた。 「……明後日は満月か」 「あぁ、そっか、そうだったね」 ほとんど独り言のつもりで呟いた言葉には、意図していなかったことに返事が返ってくる。 旅暮らしも長くなると、次第に日にちの感覚が薄れてくるものだ。だが時は確実に流れ、満月の夜もこうして月に一度は必ず巡ってくる。 肯定の意を示した返事の後に、少年は今度は手を顎に当てて首を捻り始めた。眉を潜め首を傾げる様は、年相応の少年らしい。 「あれ……えと、何だったっけ? ほらあの、満月の日に礼拝とかで言う決まり文句みたいなのがあった気がするんだけど……うん、何かあったよね、こう、ちょっと縁があった人とかにもいう奴が……」 「『月と女神の祝福を』」 「ああそうそう、それだ」 ぽん、と少年は納得したように軽く握った右手で左の掌を打った。 満月の夜は月の力が最も高まる夜。六人の月神達が、大地に祝福を贈る夜。世界に魔力が満ちる夜。 真紅の炎は高々と燃え清らかな水が大地を潤し、風は汚れた空気を吹き流し大地は人々に豊かな恵みを与える。人の手の施された金細工はその輝きを一層増し、草木は青々と生い茂り人々に生命の息吹を感じさせる。 その夜ばかりは不浄なるもの――魔物達も勢力を弱めるため、旅人達にとってもそれは月神達の大いなる恩恵を与る日だった。 「ルナ・ブレスの日か……」 感慨深げに呟いて見せたものの、少年の興味はすぐに別の所に逸れたらしい。彼くらいの年頃の子供は興味が移り変わりやすい。 くるりと踵を返すと、彼は青年――レンの方を見返した。 「ま、オレ達にはあんまり関係ないか。 それより早く行こう兄ちゃん。オレ腹減ったし。日も暮れるし。街ももうすぐそこだしさ!」 そう言って両手を広げ示す先には、僅かに見える人口の灯り、あとそう長くも歩かないうちに――そう、空が完全に宵闇に染まりきる頃には――街に辿り着けるだろうと目測をつける。 「ああ……行くぞ、フレイ」 「りょーかいっと」 空が、濃紺に染まっていく…… *** ふう、と。食後の一息と言うその言葉さながらに、フレイは小さく息を吐いた。彼の前には乗っていたものが綺麗に片付けられた皿が数枚。 向かいに据わる青年の前にも、同じように何枚かの皿が重なっていた。レンは至って落ち着いた様子で、ガラスのコップに注がれた水を飲んでいる。 からりという氷の涼しげな音に誘われて、自身もコップの冷たい水を含みながらフレイはレンに切り出した。 「で、今日はこれからどうすんの? もう時間も遅いし、すぐに宿でも探しに行く?」 「いや……」 先程と同じように何気ない口調で。しかしレンは手にした水の残るコップをわざわざ手元に置くというその何気ない動作によって、それがあながちどうでもいい内容ではないということをフレイに知らしめた。 表情はいつもと変わらない半分寝ぼけたような無表情だったので、そこから何かを読み取ることは敵わなかったが。 「ギルドに仕事を探しにいく」 「……今から?」 フレイは眉を顰め、淡々と言葉を紡ぐ青年に問い返す。 もう日は完全に暮れ、月が空に昇りきったような刻限。無論旅人に開かれたギルドはまだ開いているだろうが、何もこんな時間に赴く必要があるだろうか。……否、ない。普通なら。 訝るようなフレイの表情と問いかけに対し、レンはいつになく真剣みのある表情――しかし勿論無表情だ――で重々しく頷いて見せた。 「今から、だ」 そして一呼吸分の間を置く。フレイが問い返すよりも早く、また即座に、というわけでもないその絶妙な間の置き方。 フレイの表情が自然と神妙なものになる。同じく神妙な面持ちでレンは、その絶妙な間の後に切り出した。 「俺達が最後にいつギルドに行ったか、覚えてるか?」 ごくり。フレイが息を呑んだ。ゆるゆると酷く緩慢に唇が開かれ、漸く発せられた声は掠れ僅かに震えている。 「た、確か前の街ではまだ十分に予算がありましたので、前の前の街以来だから二週間近く前だったような気がし、ますが…… まさか……?」 わけもなく敬語口調になってしまうのに、気付いたのは口にして一瞬後のことだ。それはほぼ無意識の行為であった。 再び頷いたレンの顔は、やはり無表情。その無表情がかえってある種の凄みを見せる。 レンの言わんとすることを彼が口に出す前に悟り、悟ってしまい、フレイは顔面を蒼白にさせた。 ――どうせならいっそのことそこで言葉を止めてくれればよかっただろうに! 「俺達にはもう、金がない」 無慈悲にもその言葉は続けられた。 「…………金がないって……具体的に言うとどれくらいしか残ってないわけ?」 「どれだけ切り詰めても三日後には最早人間として文化的な生活を送れなくなるくらいには」 つまりは、人間として最低限必要な行動の、それも一番初め――三日後の朝一番には既に、朝食分の金もなくなっている、と。 いくら収入が不規則かつ不定期な旅人とは言えど容易には信じ難いその言葉を、しかしそれが真実であることを、レンの声音は物語っていた。 「…………」 「………………」 「…………………………」 沈黙は重く長く、そして痛い。 実質その間はほんの十秒ほどのことだったのだろうが、それでもフレイには随分と長く感じられた。 普段のレンの口数の少なさも相俟ってか、回りくどい会話は酷く長いものに感じられたのだ。 実際にレンが伝えたかったことは、たった一つの事柄だけだったのに。ただそれが、二人にとっては一、二を争うほどに重大な現実についての話であっただけで。 要約するならば彼らには今現在、旅を維持するためどころかまず人として生きていくための資金が不足している。早急に対策を立てる必要があった。 すぐに理解できなかったのは、別にフレイの理解能力不足というわけではないはずだ。そんな事実を告げられれば誰だって一瞬くらい思考が止まるはず。 「……もう少し最初からわかりやすいように、はっきり言ってくれればよかったのに……」 半ば諦めにも似た呟きには意外にも返事が返ってきた。いつもの冷めた表情で淡々と、レンは呟きを返す。 「はっきり言うと余計に空しいだけだろう」 それもまた反論のしようもない事実であった。だからこそ、それを聞いたフレイは余計に空しさを感じずにはいられなくなったのだが。 *** 月も高々と昇り、すっかり夜も更けてしまったような刻限。酒場に据えられたギルドの窓口傍、大量の貼紙の貼られた壁の前で、二人は呆然として立ち止まっていた。 あのレンですら驚きを僅かとは言え表情に出しているのだから、彼らのその驚愕ぶりは計り知れない。 貼紙は現在ギルドに寄せられている依頼を詳細に――依頼内容から場所、期限などを――綴ったもの。 二人の目を奪ったのは、一番最後に記された報奨金の額だった。 「……ごじゅうまん……?」 あまりの驚きに数字を脳内で正しく変換することも出来ず、それはただの音として口から零れ出ていた。 恐らくそんな大金を――それがたとえ単なる文字であったとしても――目にするのは初めてだったのだろうか。フレイは完全に放心状態でぼんやりとその文字を見つめていた。 通常ならまだ親元で走り回っていてもおかしくはない年頃のフレイとは違い、年相応には人生経験を積み重ねてきたであろうレンの方は、存外早く状況に復帰した。ただやはり、信じ難いのか何度もその賞金額と仕事内容について見返しているようだ。 「おい」 いつもと同じやけに落ち着いた青年の声に、フレイは弾かれたように顔を上げた。慌てて振り向いてレンの顔を見上げるが、その声はどうやらフレイにかけられたものではなかったらしい。レンの顔は窓口にいる男に向いていた。 窓口番の男は先程二人が放心状態に陥っている間に交代した遅番のはずなのだが、それにしては随分と眠たそうな様子で大口を開いて欠伸していた。 突然話しかけられた男は状況を把握しきれていない様子で、座った状態からレンの顔を不思議そうに見上げた。 「……この貼紙の数字は、間違いじゃないのか?」 問いかけた声音は確信ではなくあくまで疑問系。 窓口の男はレンの言う貼紙がどれか確認するまでもなく何のことを言っているか察したらしい。ああ、とやはり欠伸混じりに肯定したあとに、はい、と今度ははっきり答えた。しかし。 「いや、この場合『はい』じゃどっちかわかんないんだけど」 顔の前で手をひらひらと左右に振り指摘するフレイの言い分は、確かにもっともなものであった。 今の会話内容では『はい』の意味する所が『間違いであること』の肯定なのか『間違いではないこと』の肯定なのか判断が付かない。 指摘されて再び窓口の男は『ああ』とくぐもった声で呟くと、今度こそ彼らにわかるよう詳しく説明を始めた。 「その貼紙の報奨金は確かに書かれてある通りの金額ですよ」 あんまり高額なものだから皆さん疑いますけどね。窓口番はつけたした。 「その貼紙、ここには今日来たばっかりですけど近隣の街じゃあ大分出回ってるらしいんですよ。 当然何人もの旅人やら賞金稼ぎやらが討伐に向かわれたそうですが、まだ誰も成功したという話がなくて。 中には結構手練の人もいたらしいんですけどね……それでそんな風に賞金が馬鹿高くなっちゃってるんですね」 「…………」 でも最近ではもう名乗り出る人も少なくなってしまったらしくて、こんなでかいだけの田舎町にまで手配書が回ってきたんです。そう続ける男の台詞を軽く聞き流しながら、レンは暫く無言でその貼紙を見つめた。 「情報元はルザリア……場所はルザリア近郊の鉱山、か……」 フレイにも聞こえないほどの小さな声で呟くと、やがて踵を返した。フレイは慌ててその後を追う。 「ねぇちょっと、仕事はどうすんの?」 歩幅の広いレンの歩調に合わせて、小走りになりながらもフレイが横に並び話しかける。 なにぶんコンパスの違いがあまりに顕著なので、レンの歩調に合わせて歩くのは小柄なフレイにはかなり辛い。 その様子に気付いたのか、レンは少し歩調を緩めた。そのまま酒場を出るのかと思いきや、彼は扉に程近い席に腰を下ろす。 「ねーえ兄ちゃん? 何かオレ、すっげぇ嫌な予感するんだけど、それって気のせい?」 「気のせいだろう」 ――絶対嘘だ。 即座に頭に浮かんだその言葉をフレイは敢えて口には出さず、しかし表情にはありありと疑いの感情を浮かべて見せる。 レンは無意識にか、それとも故意にか――恐らく後者だろう――フレイと目を合わせようとしない. 「もしかしてもしかしなくても、あの仕事、請けるつもりだなんて言わない、よねぇ?」 半ば顔を引き攣らせながらのフレイの問いに、レンは真顔で頷いた。頷いただけで先程の受付番との会話と同じく、それが肯定か否定かの判断はつかなかった。 しかしそれが自身の望む答えとは違っているとわかる程度には、フレイはこの青年の性格を知り得ていた。 「えー!? やだよオレ兄ちゃんみたいに強くねぇんだから死んじゃうって」 引き攣らせた顔を更に歪めて言ったその言葉に、返ってきたのは無情とも言えるたった一言だった。 『頑張れ』と。 一体何を頑張れと言いたいのか理解し難く、フレイは己の拳がふるふると小さく震えるのを自覚していた。 「〜〜〜っ、死んだら七代先まで祟ってやる!」 「お前は猫か」 愛想も何もない様子でそっけなく言葉を返すレンに、フレイはやれやれと嘆息しながら向かいに座った。年齢相応の幼さを伴った姿にそぐわぬ大人びた動作で足を組むと、椅子に深く腰掛け背凭れに体重をかける。簡素な造りの椅子は少年の軽い体重を受けてさえ、ぎし、と小さな音をこぼした。 「ま、いいけどね? いざとなったらオレは逃げちゃうからさぁ」 「……分け前二割減だな」 「嘘です冗談ですごめんなさいちゃんとできるだけ逃げないですむように努力いたしますですはい」 捲くし立てるような平坦な謝罪。そこに心が込められているのかは甚だ疑問だ。 実質、フレイとレンの間に得られた金に分け前などあるはずがない。それらは全て旅費へと回されるのだから。 それでも彼が謝罪したのは、この青年がこのように珍しくも冗談めいたことを口にする時は、やや不機嫌になっているらしいからだ。無論それを顔に出すわけでもなく、あくまで無表情のままその言葉に僅かな変化があるだけだから見落としてしまいがちだが。 フレイが心無くも謝って見せれば実際にはそれほど機嫌を損ねていたわけでもなかったらしく、レンはまたいつもの調子に戻った。いつもと変わらぬ、感情の読み取れない仏頂面だ。寧ろ先程から全く変わっていない。 やれやれと再び嘆息。 「ま、それでもどうしようもないくらいヤバくなったら本気で逃げさせてもらうから」 この言葉はふざけているわけでもなんでもなく、フレイの本心からの言葉だ。 フレイは年齢こそまだ幼いと言われる部類に入るものの、決して愚かでも、また無知でもない。最低限、己の能力とその限界値を理解していると言えるほどには。 言葉の真意に、レンはそれ以上何も言いはしなかった。 さて、と。フレイは声にも出さず一人ごちる。 もう夜もかなり晩い。少し的確に表現するとしたら、十代前半のお子様ならばそろそろ眠りについていてもいい時間帯だ。 その中には勿論フレイ自身も含まれているはずなのだが、その事実を彼は敢えて考えないことにしていた。どう考えてもフレイが、普通の子供と呼べる生活を送っているとは思えない。 だがそれにしても、夜明けと共に目を覚まし日暮れと共に野営の支度を始める旅人なら、いい加減宿に入っていてもいい頃合だ。 どうせ出発は明日になるのだ。今日はもう夜も晩く、外を出歩くにはあまりにも都合が悪すぎる。 ふああ、とフレイは一つ大きな欠伸をした。流石にそろそろ眠むなってきたらしい。歩き通しの旅の後なのだから、それもまた無理はなかった。 目の前の青年もいい加減うつらうつらしてきたようだ。いつも眠そうな表情をしているのだが、今はそれに輪をかけて目元がぼんやりとしてきている。そのまま座った体勢でも寝入ってしまいそうだ。 眠いのならば自分から言い出せばいいだろうに。 フレイは思うが、レンにそんなことを求めてもあまり意味はないかと思い直した。 「ねえ、そろそろ本気で宿とか探さない? オレもいい加減眠いし」 「……そうだな……」 漸くレンがその重い腰を上げて立ち上がった。店から出ようとすぐ傍の扉を開こうとした所で、しかし彼はそこで立ち止まる。 ついと店の中に向けられたレンの視線を追ってそちらに目を向ける前に、耳を塞ぎたくなるような大声がフレイの耳朶を打った。 「ふざっけんじゃないわよ!!」 ダンッ、とテーブルを打ち付ける音は激しい。その剣幕に、怒鳴られているのはフレイではないのに思わず肩が揺れる。 大声で怒鳴りつけたのは二人からは後姿しか見えない、声音と体格からして恐らく十代半ば頃の娘だ。腰までも届く黒い髪を後ろで一つに編み、旅装束に身を包んだ娘。 そんな年頃の娘がギルドにいることも異様だったが、彼女のその剣幕も異様だった。 「いきなり5万寄越せってどういうことよ!? 昼間は3万って言ってたじゃない!」 納得が行かないとでも言うように立ち上がって身をテーブルから乗り出し訴える娘に対し、向かいに座る男は至って冷静だった。 「こっちにだって事情ってもんがあんだよ。 大体俺があんた達に提供してやってるのは物じゃない。だから定価もない。 俺が決めた額に文句があるって言うなら別に払わなくてもいいんだぜ? 俺はあんたに情報をくれてやらなくたって十分食っていけるからな」 そのふてぶてしい態度に、娘の堪忍袋の緒が切れた。殴りかかろうとしたのか右手を振り上げ―― 「……待て」 ぱし、とその腕を掴まれた。 一瞬何が起こったのか把握できなかった彼女の耳に届いたのは、この場にそぐわないやけに落ち着いた声音だった。 「少し落ち着け」 振り向いた娘――フィルは呆気に取られた様子でレンの顔を見つめていた。 彼の耳元で、紅いピアスがきらりと瞬いた。 |